スイス式トーナメント
スイス式とは
具体的に、スイス式の実施には、以下のようなことを決めなければなりません。 1. どの時点の勝敗数を用いるか:前回まで(完全スイス式)/前々回まで(変形スイス式、対戦中に次の組み合わせを決定可能)/3回戦のみ初回で他は前回まで(WCSC方式)。 2. レーティングや予選順位等の事前情報を使うかどうか:モンラート式/オランダ式/マクマホン式等。 3. 同一勝敗数内の順位の決め方。 4. 同一勝敗数内の組み合わせ法:順接/逆接(ネスト)/隣接/間接等。 5. 同一勝敗数内の余り者の決定と処理の方法。 6. 過去対戦済みの組み合わせを排除するかどうか、また排除する場合には組み直しの方法。 特に、最後の部分の説明は意外と大変です。
解説記事: スイス式トーナメントについて | ず’s 将棋
評価・論文
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世界コンピュータ将棋選手権における対戦組合せシステムの有効性 - 情報学広場:情報処理学会電子図書館
- 「1.2 通常スイス式(Swiss) (中略) すべての対戦が終わらないと次の回の対戦が決まらないので,全体としてのアイドルタイムが生じるため運用上問題があり」
- 「1.3 変形スイス式制(Modified Swiss) (中略) この方式では,ある対戦終了後,対局者は,次の対戦相手もその回の対戦が終了している場合には対戦を行えるため,全体のアイドルタイムがスイス式に対して少なくなり,運用上好ましい」
ソフトウェア・評価
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スイス式トーナメントΣエーデルワイスの詳細情報 : Vector ソフトを探す! (Excelマクロ)
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スイス式トーナメント組み合わせ KSW (柿木さん作、Windows10対応)
- 参加人数が奇数の場合は組み合わせが作れない。手動で抜け番(勝敗カウントなし)を入れるか、不戦敗さん(全部負ける)を入れる必要がある。
- 手動入力ができるので最初の2回を修正スイスにするのは可能、その後を変形にするのは大変そう。
- ソフト上での並べ替えができないのがイマイチ
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スイス方式対戦処理システム SwigPro/SwigFree
- SwigFree:「SwigProとの違いは、参加者の上限が16人、対戦回数の上限が8回であることだけです」
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スイス方式による対戦相手組み合わせプログラム(ver.9.0) (Excelマクロ)
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- チェス 用ソフト、英語版。高文連で使われているようだ
事例
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『スイス式』対戦組み合わせソフト|freeml byGMO 2003/12/26 09:58
- 「スイス式と名乗る日本製のフリー、シェアソフトにチェス対応のものは恐らくありません」「見つけたソフト全てがドローを扱えない欠陥品でした」
- 「少々不評が無いわけではありません」「緒戦で余りに力の違う相手が当たる事、そして、「仮」のプレーヤーにこの二年、かなり食わせ物が入っていたことを考えると、それも否定できない所もあります。(『番狂わせ』が多く起こっていました。)」
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スイス式トーナメント組み合わせ考察 その1: real intention
- 「ソフトでも解決できない組み合わせの弱点が次回戦で物理的に組み合わせができない組み合わせを発生させてしまう」
- 「参加数をnとすると(n−2)回戦のときの組み合わせに生じる現象」
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スイス式トーナメント戦の参加人数 -スイス式トーナメント戦で優勝者が | 教えて!goo
- 「スイス式トーナメント戦で優勝者が決まるのに32人以下だと5回戦、64人以下だと6回戦必要」 (ソルコフ等がない場合と思われる)
- 「全勝者同士はさすがにプレーオフにしないといけないと考えていますのでそこが頭の痛いところです」
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- 「3人トグルが発生しない必要条件はわかっていませんが、十分条件は対戦回数が参加者数の半分以下です」
考察
- 参加者数nに対して、全勝者が1名になる対戦回数は log2(n)。優勝は決まるが2位以下は同勝数が出る可能性がある。2-4位決定戦を行うならその対応も必要。
- 32名以下なら5回戦、64名以下なら6回戦必要 (1日に対局できる上限は高段者で6-7回戦ぐらいか)
- log2(n)+2 がベスト??
- 純スイス式ではn回戦が終わらないとn+1回戦の対局が行えない。時間が無駄になるので変形スイス式が良いかも (切れ負けならいいのかも)
- 不戦勝(奇数人数の参加)、途中退場の扱いをどうするか。途中退場は以後不戦敗だけど不公平感あるかも。
- 棋譜を残したい場合はどうするか。特に3位決定戦の棋譜。
- 予選で用いる場合でも、通過ラインギリギリの人に納得感があるかどうか。1回戦で不戦勝を引いた人が強い場合は特に。
余談
- 敗者復活ありトーナメントは、代表2名を決める場合は便利。各人2局以上対局できる。