うれうべき教科書
保守合同により自民党になる前の日本民主党による教科書批判。1955年。 ちょっと調べてみた。昔からやってることが変わってないのね...
ブログ
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隅田金属日誌(墨田金属日誌) 昔は「卑弥呼が教科書に載っている」と文句をつけていた
- 『今の自民党が出したパンフレット『うれうべき教科書』について、昭和37年の新聞で貝塚茂樹さんが紹介※ している。内容は「日本史教科書で魏志東夷伝の卑弥呼云々とは何事か。中国の歴史書を使うのは中共[今の新中国]の歴史宣伝に利されるだけだ。日本書紀や古事記に書かれた神話に基づいた古代史を教えるべき」というもの』
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- 『石井一朝という人物が、与党であった日本民主党(後に日本自由党と合体し自民党)と一体となって三部作のパンフレット『うれうべき教科書』として発行したのです。たまたま私が嘱託として編集にかかわった教科書がやり玉に上がったわけです。小学校の六年生の歴史のところで、卑弥呼の話が当然出てくるわけですが、卑弥呼の話を出すなんていうこと自体が国辱ものだといわんばかりの攻撃でした。例えば生口という奴隷が献上されたと書いていることに対して食いついてきたり、聖徳太子の遣隋使の国書で、「日出ずるところの天子、書を日没するところの天子に出す、つつがなきや」という、『隋書』に載っている有名な文書がありますが、これはよく知られているから別の文書を出そうと「大和の天皇、慎みて唐土の君に申す」という『日本書紀』の記述を使ったら、中国の文献を使うのはけしからぬということを言ってきました』
新聞記事
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うれうべき教科書問題について - 公正な世論に訴える
- 論壇 [[$$wikipedia 牧野良三]] 朝日新聞 昭和30年(1955年)9月15日朝刊3面
- 『日本歴史としては真実性を疑われている「卑弥呼」の説などをわざわざ「魏志」から引いて、日本から中国に「どれいや織物をみつぎものにしました」と書かなければならなかったかということである』
- 牧野良三:「政治家としての業績は第3次鳩山内閣の法務大臣を務めたことや政友会総務、自由党・日本民主党・自由民主党の顧問等を歴任」(Wikipedia)
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史学三学会が声明 “うれうべき教科書”で
- 昭和30年(1955年)11月6日 朝日新聞朝刊7面
- 『このパンフレットは学会の常識を無視し、一政党の政治的欲求にそって史実を曲げようとするもので、学問の自由と教育の独立を侵害するおそれがある』