ヨーロッパ各地で放射性ヨウ素検出

2011年10月下旬から欧州各地にて ごく微量の放射性ヨウ素([[$$wikipedia ヨウ素131]])を検出したという報道のメモ。


[[$$amazon-search-result-middle books-jp 放射線]]

放出元が特定された模様

断定できるだけの情報はまだ集まってない? もうちょっと情報収集が必要。

http://www.haea.gov.hu/web/v2/portal.nsf/index_hu

  • Jod kibocsatas kozlemeny(ハンガリー原子力委員会(HAEA) 2011. november 17.)
    • 推測通り、医療用が原因の模様。製造元から漏れていたと報告。
    • 「私たちの国では、Csillebercオペレーティングアイソトープ研究所株式会社は、ヨウ素131プロダクションとのライセンスと経験を持っている。 ヨウ素131の増加量を"エスケープ"、製造工程中に、煙突から排出されることに気づいた」

http://www.haea.gov.hu/web/v2/portal.nsf/hirek_hu/7F55A53011E7BB9BC125794C003ACDB9

  • A NEMZETKOZI ATOMENERGIA UGYNOKSEG SAJTOKOZLEMENYE (ハンガリー原子力委員会(HAEA) 2011. november 18.)

    • 下記、IAEAプレスリリースについて。
  • Source of Iodine-131 in Europe Identified (IAEA 17 November 2011)

    • 「ヨーロッパで検出されたヨウ素131(I - 131)のソースはおそらく同位元素(株)の研究所から大気へ放出したことをハンガリー原子力委員会(HAEA)から情報を受けているブダペスト。同位元素(株)の研究所は、医療、研究および産業アプリケーションのための放射性同位元素を生成します。HAEAによると、リリースは9月8日から2011年11月16日に発生した。リリースの原因は調査中です。」

http://www.izotop.hu/

http://www.reuters.com/article/2011/11/17/us-europe-radiation-iaea-idUSTRE7AG1F820111117

  • Hungary isotope lab likely radioactive source: IAEA (Reuters VIENNA/BUDAPEST | Thu Nov 17, 2011 10:12am EST)

    • 「ハンガリーの原子力機関は、ヨウ素131が11月16日〜9月8日から同位体社の研究所からリリースされたことを、国際原子力機関(IAEA)に語った」「木曜日には、生産を中断したと述べ」
    • 「"それは(研究所が源であることを)排除できない。私は時期尚早研究室の意見を考慮する。他の国で検出された物質は、それらによって放出されたかどうかを確立する徹底的な調査を必要とする、"と同氏はReutersに語った」
  • 欧州の放射性ヨウ素 発生源で報告(NHKニュース 11月18日 4時0分)

    • 「IAEAは...ハンガリーの原子力規制当局から首都ブダペストにある企業が発生源である可能性が高いとの報告を受けた」
    • 「ハンガリーの原子力規制当局からブダペストの民間企業でことし9月8日から今月16日までの間病気の治療などに使われる医療用のヨウ素131が大気中に放出されていたとして、各地で観測されたヨウ素131の発生源である可能性が高い」
  • Radiation Mystery Solved? Budapest 'Probably' the Source (ABC News By LEE FERRAN and DRAGANA JOVANOVIC Nov. 17, 2011)

    • 「研究所所長が同意しない」「彼の組織におけるフィルタリングの問題がハンガリーで検出されたヨウ素131の一部の責任かもしれないが、それは何百マイルも離れて検出された脅威の源であることができなかった」
    • 漏れた量とか伝播の過程がはっきりしないと、決められないではありますね。
    • IAEAは、名指ししたからたぶん情報はある程度持ってるんだろうけど、それを見てみたい。
  • Hungary likely source of elevated radioactivity levels: IAEA(Breitbart Nov 17 02:30 PM US/Eastern)

    • AFP配信記事。「研究所は、通常よりもヨウ素131の高い量を放出認めたが、どの放射線の源であること否定」「高められた放射能の発生源であれば、ブダペストで測定されたレベルはかなり高くなっている必要があります」

http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/hongrie/iode131-hongrie.html

  • Hongrie - Iode 131 (CIIRAD 21 novembre 2011)
    • ハンガリーの工場からの「許容排出量」は、ラ・アーグ再処理工場よりも多い、という指摘。

医療用ヨウ素剤って?

国内で利用されているヨウ素剤の例

ご参考:ヨーロッパ各地で放射性ヨウ素検出メモ - Togetter

現状のまとめ

  • チェコから第一報

  • ドイツ北部、ポーランド、オーストリア、ハンガリー、スェーデンで検出

    • デンマーク、スロバキアでも検出されたとの報道あり
    • ウクライナでも10月10日〜20日にかけて検出されていたとの報道あり。
    • CTBTOもロシア、スウェーデン、それにオーストリアに設置している観測施設で検出(NHK)
  • その他の地域では今のところ検出されていない模様

    • スイス、フランス、スペイン、ノルウェー、ブルガリア、クロアチアなど
      • フランスでも検出されました(11月15日)
  • チェコ原子力安全局 11. 11. 2011によると

    • 現在、原因も由来も不明 (核種分析により原発由来ではない)
      • 放射性医薬品由来説がある
  • 自然放射線量の1/100との報道あり

    • チェコで「数μBq/m^3」のI-131を検出
    • オーストリアで「2〜120μBq/m^3」
    • オーストリアで「最大でも1nSv」(NHK)
      • 検出量が極めて微量なので、各地のモニタリングポストには特に変動はありません。
  • ハンガリーの医療用放射性物質製造施設からの漏洩と報道される

    • Geringe Mengen an Iod-131 in der Luft gemessen(オーストリア連邦環境省)にある「放射性雲のソースは、おそらくヨーロッパの南東」「原子力発電所は、リリースのソースがありそうもない」という推測は、正しかったわけです。

http://www.zukeran.org/shin/d/wp-content/uploads/2011/11/20111118-euro-map-2.png
↑この地図は国単位で大雑把に塗っているので不正確です。 (ロシアを国単位で塗ると凄いことになっちゃうんで悩み中)

現状での考察

  • アルメニアのメツァモール原発に言及する人もいるけど、そこ由来とは考えにくい

    • そもそも事故とか漏洩って誤報だし
    • 今のところ、ヨウ素だけが検出されているので原発由来とは考えにくい。
    • トルコ原子力省のサイトにも情報なし。仲が悪い国同士なので、高濃度のヨウ素が検出されれば大騒ぎになってるはず。
  • 仏核廃棄物施設の爆発事故由来とも考えにくい

    • I-131は半減期8日。廃棄物中にはほとんど存在しないはず。
    • フランス、スイス、スペインなどで検出されていない
      • フランスでも微量検出されたそうです。
  • 原発由来かどうか?

    • わかりません
    • 半減期が短いI-131が検出されているので、大元は核分裂由来だと思うけど...
  • パキスタン原発で事故があったとの報道があったが(AFPBB情報)

  • スロベニアの原発じゃないの?

  • 医療用の放射性ヨウ素由来か?

    • 報道でもそのような推測がなされている。ヨウ素だけが検出されていることから、その可能性が高いとされている。
    • 医療用の放射性ヨウ素を誤って焼却?など、いろいろな推測がtwitter上で行われている。
    • 3週間ほど継続して検出されていて「放出が継続されている」と推理されているので、単純な事故でもなさそうな気がする。ここは続報待ちだな。
  • ハンガリーの医療用放射性物質製造施設からの漏洩と報道されました

日本での報道

えー、今頃こんな記事が...今朝のNHK報道見てないのかな?

IAEA

http://www.iaea.org/newscenter/pressreleases/2011/prn201124.html

ロイター報道

たぶんこれが第一報

http://www.reuters.com/article/2011/11/11/us-nuclear-iodine-iaea-idUSTRE7AA4U020111111

  • Low levels of radioactive particles in Europe: IAEA | Reuters
  • 発生源は不明
  • 「IAEAは、チェコ共和国の原子力安全当局がヨウ素131の"非常に低いレベルは"ここ数日で全国の大気中で測定されていたと報告」。
  • 「ドイツの環境省は、放射性ヨウ素のわずかに高いレベルが北部で測定された」「原子力発電所からのものであることを除外」
  • 「ハンガリー、スロバキア、オーストリア、スウェーデンはまた、健康リスクをもたらすしていない非常に低いレベルでトレースを報告した」
  • 「スペイン、ロシア、ウクライナ、フィンランド、フランス、イギリス、スイス、ポーランド、ノルウェーは、異常な放射線レベルを検出していないと述べた」
  • 「ルーマニアは、国の唯一の原子力発電所では事件がなかったと述べた」
  • 「オーストリアの環境省は、小さなレベルがアルパインの東部と北部で測定されたと述べた」

ドイツから第二報

http://af.reuters.com/article/energyOilNews/idAFL5E7MB39P20111111

海外の報道

http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-15689555

にちゃんねるにあった上記記事の翻訳 http://raicho.2ch.net/test/read.cgi/newsplus/1321024673/84

84 :名無しさん@12周年:2011/11/12(土) 00:56:32.16 ID:CNsfK3z60
>>65の記事全文訳(かなり適当なので差し引いて読んで) 

国連の原子力機関によると、低濃度の放射性粒子がチェコ共和国はじめヨーロッパで検出された。IAEAの話では、検出されたヨウ素131は公衆の健康に危険を与えないとのこと。

IAEAはこの粒子がどこからもたらされたのかを調査したが、日本の福島原発由来のものではないと考えている。IAEAによると、ヨウ素のレベルが上がったのを報告してきたのはチェコ共和国という。 

「我々は、検出されたヨウ素131のレベルを追跡し、健康へのリスクはないと考えている。また、日本の福島第一原発の事故由来のものでもない」とIAEAは声明の中で言っている。 

ヨウ素は短命の放射性物質で、半減期は約8日。 

チェコの原子力安全を担当する当局によると、10月下旬から多くのモニタリング・ステーションでヨウ素131が検出され、IAEAに原因究明のため報告を行ったとロイター通信が報じた。 

チェコの原子力安全局長のDana Drabovaによると、このヨウ素は放射性医薬品の製造途中で漏れた可能性があるという。同氏によると、原子力発電所由来のものでは確実になく、さらに、チェコ国外に原因があるとほぼ確信しているとのことだ。 

日本の事故から数日、数週間の間は、福島由来のヨウ素131がごく少量、遠くはアイスランド、またヨーロッパ各地、ならびにアメリカにも到来したと考えられている。 

チェコ

http://www.sujb.cz/?c_id=1127

  • チェコ原子力安全局 11. 11. 2011
    • 空気中に数μBq/m^3のI-131を検出。エアロゾルとガス状。
    • おそらく共和国の領土の外に置かれている発生源
    • 他の人工放射性核種の濃度の増加を見つけていない、これは原子力発電所の事故ではないことを示唆。

http://www.suro.cz/cz/rms/svz

ドイツ

[![http://odlinfo.bfs.de/index.php ドイツの放射線監視網 - http://odlinfo.bfs.de/index.php

ハンガリー

オーストリア

http://www.lebensministerium.at/umwelt/strahlen-atom/strahlenschutz/iod.html

スウェーデン

http://www.stralsakerhetsmyndigheten.se/Om-myndigheten/Aktuellt/Nyheter/Nagot-forhojda-nivaer-av-jod-131-i-Europa/

デンマーク

スロバキア

スロベニア

クロアチア

フランス

[![http://sws.irsn.fr/sws/mesure/index フランスの線量率監視網

ヨーロッパの現在の線量率

リアルタイムで欧州全域の線量率を見れるサイトがあります。11/12現在、特に変化無し。

http://eurdep.jrc.ec.europa.eu/Basic/Pages/Public/Home/Default.aspx

SSTYPE Sample type code where the value is the 1 - 4 letter EURDEP sample type code. For example:

A1 air sampleA11 outdoor air
A2 water sampleA21 surface water
A3 soil sampleA212 lake water
A4 depositionA23 waste water
A5 external radiationA32 soil + grass
A6 sedimentA33 in situ
A44 aerial gammaA411 total deposition
A422 snow melt waterA421 rain water
AZ environmental sampleA43 grass

ロシアの現在の線量率

http://www.russianatom.ru/ http://www.russianatom.ru/

パキスタン説?

いや、それはないだろ...

タランチュラ星雲からやってきた説?

  • Radiation in Europe: UN nuclear agency mystified by soaring levels (Mail Online 5:52 PM on 12th November 2011)

    • 「NASA have released images of 2,400 stars, known as the Tarantula Nebula, that are producing intense radiation and powerful winds, believed to be the cause for the detection in the atmosphere」という文章が唐突に挿入されている。コピペミスなのかなんなのか...
    • DailyMailは英国の「タブロイド紙」で[[$$wikipedia タブロイド]]によると『英国では「タブロイド」といえば「ゴシップ報道ばかりで信頼性には疑問のある新聞」という連想があり』ですし、「Dailymail 信頼性」で検索してもトホホな状況のようです。
  • The Tarantula Glows with X-rays and Infrared Light (NASA Jet Propulsion Laboratory November 10, 2011)

    • NASAの発表文はこれ。ヨーロッパのヨウ素との関連はどこにも書かれていない。
    • この中の「タランチュラ星雲として知られている旗魚座30の中心にある約2,400の重い星は、強烈な放射線と強力な風を生産している」部分が、「放射線」ってのと「発表日」が近いことから、間違って紛れこんだものと思われる。

スロベニアの原発じゃないか説?

未整理ソース

真偽不明ソースを含みます。扱い注意。

下記サイトはビデオ作ったりしてがんばってるけど...


[[$$include 原子力発電所関連リンク]]

[[$$amazon-search-result-large books-jp 高木仁三郎]]